偏差が起こらないために

 気功と雖も、方法を間違えれば取り返しのつかない状態をもたらすこともあります。それは明らかに方法が間違っていること、気のエネルギーの扱い方を間違っていることによってです。

 気功から特殊能力(霊能力)などを求める人は特に注意が必要です。じっくりと時間をかけて体得するならばまだしも、急激に功を焦り求めることで必ず心身に問題を生じます。その問題を偏差(副作用)と言います。

 気は気の高まりと共にじっくりと取り組んでいくものです。

 昨今、潜在意識の操作などの方法が話題ですが、多くの問題が発生しているのは、元々、人間の心身の鍛錬は丹田(腹脳)から始めるべきであるという基本を無視したことが理由です。

 潜在意識に対して直接操作することは、危険なばかりでなく、潜在意識を含む脳の活動は、肉体の運動とは比較にならないレベルの大量のエネルギーを要します。

 それを防ぐためには、丹田を鍛え、丹田に気を集めるという基本をしっかりと行われないといけません。潜在意識のエネルギー源である気を使い働かせることが可能になります。知らない間にあなたの心身から気の大放出や大激減が自動的に起こる場合が多々です。

 ところで、潜在意識に与えられた命令は、正邪の判断なく実行されます。これは、顕在意識に倫理や道徳があるのに対し、潜在意識にはその判断ができないからです。それは、エネルギーが十分であろうと、不足していようと関係なく動き始めます。

 もし、身体的な準備ができていない(気の絶対量が不足状態)段階で実行されたならば、心身内の真気を消耗・放出ことになり、心身上の異常を起こしても当然のことです。

 このことはクンダリニーヨーガでクンダリニーの覚醒の際にも言えることです。しっかりとグルの元で行わないことにより、半身不随になったり、精神異常になる場合があるのは上記の理由です。

 意念がしっかりとした気を集め、コントロールすることができるならば、気功による偏差は起こりません。それが正しい気功の方法であり、私が勧める潜在意識の操作になります。