先入観こそ悪

 人間関係に於いて、先入観ほど厄介なものはありません。人間関係は、学校・職場だけではありません。ご近所付き合いも、親子関係も恋愛も、そして夫婦関係も全てが人間関係です。

 この人間関係に於いて、先入観も持ってお相手と接するならば、あなたはもうその方に対して、色眼鏡で見ているのと同じです。自然に適切に振る舞うことができなくなってしまいます。また、お相手に対するあなたからの影響も悪くしてしまいます。

 そして、人に先入観を持つことは、あなたの判断を誤らせるだけでなく、人間関係自体を壊してしまうことにも繋がるかも知れません。

 何の先入観にも囚われず、頭の中を 真っ白にして人づきあいをするのが理想ですが、なかなかできないのが人間です。実際には違っていることでも思い込んでしまうことにより、あなたの心の中に 住みつく毒の様なものです。

 どうしてその様にマイナスになるのでしょうか?・・・それはその時に持つ先入観、つまりその人にマイナスのイメージを持つからです。

 人に対する先入観をもしプラスのイメージに変えたとしたら、あなたのその人に対する考え方が180度変わってきます。

 同じ先入観を持つとしても、あなたにとって都合の良い先入観を持つことができたとしたら、あなたはその人をプラスに見ることもできるし、そして、あなたとその人との人間関係も素晴らしい関係に変わっていきます。

 マイナス思考とプラス思考の違いは、「視点」が重要な要素だと以前にお話しましたが、先入観にも同じことが言えます。

 一例を持って説明しますが、職場にどうも苦手な人がいるとします。自分にとっても別の方にとっても苦手で、振り回される存在だとしたら、あなたならその人に対してどの様に考えますか?

 まず、どうしてその人が今の様な言動をするかを知る必要があります。 自己中が原因である場合もあります。或いは、心の中に別の悩みがあるために、ストレスを多く抱えているからかも知れません。いつも言動の理由を分析することは重要です。

 つまり、苦手な言動をする=苦手な人 と捉えることこそが先入観になり、判断を曇らせるのです。

 苦手な人はあくまで、苦手な言動をするだけの人と捉えることが重要なポイントです。

 そして、どの様な場面でも、自分の感情を振り回される様な捉え方をしてはいけません。あなたの感情とその人を完全に切り離して考える習慣を持つ必要があります。

 先入観を持たないために、今までの経験から「この人の言動は○○だから、○○な人だろう」と判断することを止めて、一度真っ白な状態で、初対面の人に対する様に接していく必要があります。

 あなたの感情はあなた自身の問題です。怒ったり、悲しんだり、苦手と考えるのは、周りの誰かの原因ではありません。目の前の出来事や周りの人の言動はあくまできっかけに過ぎません。どの様に考えるかは、あなた自身の問題なのです。

 人により価値観が違います。どんなことにも、それぞれ人によって、捉え方が違います。自分の感情を乱す様な人がいても、その人によりあなたの感情が振り回されること程、勿体のないことはありません。

 以上の様に「価値観の眼鏡」を変えることは、大きなメリットをあなたに与えます。