呼吸法での自己制御(基本編)

 呼吸法により、あなたの意識状態の改革、潜在意識の操作、制御する技術を説明します。(基本編

 人間の神経系統は、交感神経(起きている時の神経・緊張している時の神経)と副交感神経(寝ている時の神経リラックスしている時の神経)の二つの自律神経により、内臓・血管などの働きをコントロールし、体内の環境を整える役目があります。自律神経に左右されているのは、全ての内臓と全身の血管そして分泌腺です。呼吸はこの自律神経と密接に関連しています。

 自律神経のコントロールタワーは、間脳の視床下部です。その自律神経は人間の心と身体の変化に敏感に反応し、さまざまな呼吸のリズムを作り出しております。

  • 怒っている時・・・・・呼気(吐く息)強く強く
  • 悲しんでいる時・・・吸気(吸う息)強く強く
  • 心が穏やかな時・・・吸気も呼気も穏やか

 の様に、人間の精神状態は、呼吸状態に顕著に現われてきます。

 逆に言えば、自律神経の交感神経と副交感神経を制御できれば、内臓や血管の機能を調整し、その二つの神経のもたらす精神的な働きも制御できることになります。

 そう、賢明なあなたならお分かりと思いますが、呼吸を制御することにより、自律神経を制御できるのです。

 このことは内臓と全身の血管だけでなく、精神状態も制御できることになります。

 よく腹式呼吸がいいと言われますが、ゆっくりとした腹式呼吸は自律神経を整え、リラックスを生みます。

 おへその下2.3cm位の所に腹脳(丹田)と言う部位があります。

 腹式呼吸を習慣化することによりこの部分が鍛えられ、自己制御が可能になります。

 まず、これが基本の呼吸法です。

 呼吸法には何百種類もあるので、一部を紹介していきます。

呼吸を意識することから始めます

 まず、自分の呼吸に注意を集中してみて下さい。あなたの呼吸は次のどの呼吸に属しますか?

肩式呼吸
 悲しい時・苦しい時、また過呼吸の際に無意識的に行ってしまう呼吸です。両肩を上に上げて行う呼吸で、悲しく泣いている時は、呼気よりも吸気が多く、「吸う、吸う」が強調される呼吸になっています。肩式呼吸では肩の上下でしか呼吸ができないために、横隔膜が上に引き上げられ、肺の上部での呼吸になり、肺に誘導される酸素や気のエネルギーは最少の状態になります。
 肩で呼吸をされている方は、絶えず忙しく呼吸をしている状態になり、精神的にも悪い状態から抜け出すことができなくなっています。継続されると更には病気を引き起こしていきます。マイナス思考を作り出す呼吸でもありま す。できるだけ早い時期にこの呼吸から腹式呼吸へ変えることが望ましいと思います。
肺式呼吸
 多くの方が行っている呼吸です。肺で呼吸するのが当たり前と考えるものですが、肺式呼吸を行っていくと、胸が痛くなったり、腰が重くなったりする副作用があります。勿論、肺に酸素を多く取り込む訳ですから、心臓への酸素の供給量も多くなり、心臓の働きを良くし、精神的にはくよくよ悩まなくなるメリットがあります。
腹式呼吸
 腹部を上下させて行う呼吸です。睡眠時の呼吸がこれに相当し、健康のためには最もいい呼吸法ですので、まだの方は是非この機会に体得していただくのがいいと思います。慣れてくれば、常時この呼吸ができる様になります
 横隔膜を収縮させて下降させながら息を吸います。できれば下腹部が酸素でいっぱいになるまで吸って下さい。そして、横隔膜を緩め、上昇させながら腹壁をへこましながら息を吐きます。
 この腹式呼吸を行うメリットは、マイナス思考などのマイナス要素を取り去ります。肝の据わった人間に変わっていきます。勿論、プラス思考にもなってきますから、続ける価値は見出していただけると思います。また、腸の働きを活発にし、便秘や冷え性を治し、造血作用を促進し肌つやを良くします。